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【マンガ感想】ぼくたちは勉強ができない/筒井大志

週刊少年ジャンプで連載中のラブコメぼくたちは勉強ができない」がアニメ化されるとの情報を見た。好きなマンガなので自分なりに紹介してみたい。

 

ぼくたちは勉強ができない コミック 1-7巻セット

ぼくたちは勉強ができない コミック 1-7巻セット

 

 あらすじ

高校三年生の唯我成幸は、家が貧乏なこともあり、高校の成績優秀者に与えられる特別推薦制度の対象を狙っていた。根が秀才タイプで努力を惜しまない成幸はいずれの科目でもそこそこ以上の成績をとっていたものの、文系科目では古橋文乃、理系科目では緒方理珠、という二人の天才少女に水をあけられていた。

そんなある日、成幸は学校側からある取引を持ち掛けられる。それは、文乃と理珠二人の教育係として、それぞれの志望する大学に合格させれば、特別推薦を与えるというものだった。天才二人の教育係という役割に困惑する成幸。実は、文乃は理系、理珠は文系と自分の得意分野と異なる進路を希望しており、しかもその「得意じゃないほう」の科目については壊滅的にできないのであった。かくして、「勉強のやりかた」だけは知り尽くした教育係の成幸と、勉強ができなすぎる二人の天才の1年間が始まった。

 

感想

はじめに書くと、マンガ、小説、映画、ドラマ問わず自分は恋愛ものが苦手である。でも、他のジャンル、例えばバトルものやスポーツものに恋愛要素があるのは大好きで、むしろないと物足りなく思うほどだ。なぜだろう、と考えてみると、おそらくは「負けヒロイン」「三角関係」といった、恋愛における敗者を生みだすシステムが苦手なのだと気が付いた。

恋愛ものであれば、恋愛そのものからドラマを生まないといけないので、くっついたり離れたりとか、鬼畜男と優しい王子様の間で揺れ動く的な要素が必要になる。しかし他のジャンルであれば恋愛要素はおまけなので、基本的には男女が段々近づいていって最後はくっつくという過程を純粋に楽しむことができるのだ。

 

そうなると、自分にとって、一人の男子を複数の女子が奪い合うといういわゆる「ハーレムもの」は最悪のジャンルという理屈になる。実際、過去生み出された幾多の作品、ジャンプであれば「いちご100%」や「ニセコイ」といった名作ハーレムものについても、途中で脱落してしまうのが常であった。

では本作「ぼくたちは勉強ができない」はどうか。主人公の成幸に対して、黒髪清楚な文学少女の文乃、小柄巨乳な理系メガネ少女の理珠、日焼けがまぶしいスポーツ少女・武本うるかという同学年の三人に加え、中学生並のボディーと姉御肌のハイブリッド・小美浪あすみ先輩、文武両道容姿端麗のパーフェクト美女だが日常生活がダメすぎるザ・ギャップ萌えの桐須真冬先生というヒロイン5人体制の、まごうことなきハーレムものである。自分にとっては最も苦手といっていい作品のはずだが、しかし、全く苦手を感じないどころかすごく面白いのだ。

 

その秘密はおそらく、主人公・成幸の造形にあると思う。この男、とにかくものすごく良い奴なのだ。自分の勉強もありながら、あすみ先輩含む4人の勉強を親身になって、マンツーマン指導はもとより、時にはオリジナルの問題集を作ったりしてあげ、真冬先生が困っていれば、掃除や身の回りのことを手伝う。当然ながら同学年3人の勉強を見ることについては「特別推薦の獲得」という自分の目的あってのことであるが、その範疇をはるかに超えた献身を嫌な顔一つせずにやってのけるのだ。

そう書くと鼻持ちならない聖人君子のように聞こえるかもしれないが、可愛い女子と一緒にいることにドキドキしたり、ちょっとした欲望(おいしいものとか節約とか)には弱い等身大の男子としての描写も多いので、読んでいると全くそんな印象をうけない。

恋愛的な要素についても、「女子の思いに気が付かない鈍感男」というお約束の一面はある一方で、自分自身が女子にときめきながらも「みんな勉強やスポーツを頑張らないといけない大事な時期なんだ」という気持ちであえて意識しないようにするという性格も描かれている。このあたりのバランス感覚がすごいし、かなり慎重に練り上げられたキャラクター造形だと感じる。主人公が一部ファンからゲスの極み、鬼畜、サイコパスと称された某ハーレムものからの学習効果であろうか。

 

もちろん女子もみんなすごく良い。自分の夢や目標に向かって頑張る姿であるとか、できないことへのコンプレックスとか、そういった人間的な内面を重視して描かれていて、それぞれがとても魅力的なのだ。恋愛的な部分はある意味二の次三の次で、あえて控えめに描くことで逆説的ににじみ出る部分があるというか、素直に応援したいという気持ちにさせられる。意識してのことかどうかはわからないが、これも絶妙のバランスの上になりたっている表現だと思う。

 

連載の現時点では、年上二人はともかくとして、同学年3人、ことに2人については完全に成幸に対する恋愛感情を意識している状態である。成幸の思いは現状では全くのフラットだと思われる。このあと、どんな展開で、最終的に誰が成幸とくっつくのか、はたまた誰ともくっつかないのか、全く予断を許さない。個人的には、恋愛感情において他の2人から後れを取っているもう1人が本命だと思っているのだが。いずれにしても、「大学受験」というゴールが明確に決まっている物語であることは確かで、そのゴールはだいぶ近づいてきている。

 

恋愛ものが苦手な自分が、ここまで楽しんで読めるわけだから、誰にでも楽しめるすごい作品なんだと思う。逆に恋愛もの、ハーレムものが好きな人だったら、かなりはまるのではないだろうか。興味を持った方は、ぜひ読んでもらいたい。

 

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