怒られる男の日記

もう少しうまくなってから練習するブログ

【読書感想】灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉/十文字青

 

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉 (オーバーラップ文庫)

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉 (オーバーラップ文庫)

 

灰と幻想のグリムガル」はアニメ化もされたファンタジー作品。主人公・ハルヒロたちは現実世界から突然異世界グリムガルに転移させられた若者で、生きるために義勇兵となりパーティを組み、モンスターを狩ったり未踏の地を冒険したりしながら成長していく。いわゆるところの典型的な異世界転生ものだ。

 

ただ、ハルヒロたちにはグリムガルに来るまでの記憶がない。もともとどこか違う世界にいたという漠然とした感覚だけがある状態だ。物語が進むにつれて、現実世界での記憶が断片的によみがえったり、現実世界から流れついたと思しき品物が発見されたりして、世界の謎が徐々に明かされて行っている…はず。

 

この作品を読み始めたのは、たまたま見たアニメ版がすごくできがよかったからだ。映像や音楽がとても美しくて、1クールの短いストーリーの中にも出会いと別れ、挫折と成長、恋と友情があり、命がけの戦いだけでなく異世界での何気ない普通の生活風景も描かれていて、思わず見入ってしまった。あまりにも素晴らしかったので原作にも手を出したわけだ。

 

ところでアニメは原作の2巻までのストーリーで、その後ハルヒロと仲間たちは大きな戦いに参戦したり、冒険の中で未開のルートを発見したりして義勇兵の中でも一目置かれる存在になっていく。それで多分5巻くらいか。そこまでは本当に面白くてよかったのだが、このあたりから色々な意味で迷走し始める。

 

グリムガルからまた別の世界に飛ばされてしまい、戻るために四苦八苦したハルヒロ達。やっと戻ってきたものの、そこはもといたオルタナの街からはるか離れた場所だったので、帰還するために危険なエリアを旅することになる。それ以降、冒険しては新しい場所でまた事件に巻き込まれ…と繰り返しながら旅をする、水戸黄門的な展開が延々と続いているのが現状だ。場面場面を切り取れば面白いんだけど、先に進んでいる実感がないのがつらい。まるで日本タイトルをひたすら防衛していたころのはじめの一歩を読んでいる感じだ。

 

作者の十文字さんは、あとがきを読む限りでは、あまりきっちり先のことを考えずにその場のノリで書く人らしい。なのでなおさら、このまま読んでてちゃんと着地できるのかと心配になってしまう。この13巻で、またまた新たな異世界に飛ばされた瞬間は、思わずいい加減にしろと言いたくなってしまった。世界観もキャラクターも大好きなので、とにかく、作者がわけがわからなくなって崩壊するまえにきちんとストーリーをたたんでもらえるよう祈っている。